なぜ ”やさしい日本語” を医療関係者のみなさんに伝えたいのか
こんばんは。
代表理事の黒田友子です。
新しい季節になりましたね。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
今日は改めて、
なぜやさしいコミュニケーション協会として、
”やさしい日本語”を
医療関係者の皆さんに伝えたいのか
について書いてみたいと思います。
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今から、5年前くらいの話です。
その時、息子を連れて
小児科を受診していました。
会計を待っているときに、
外国籍のお父さん、お母さん、
そして、
お母さんの腕の中には、
2ヶ月くらいの小さな赤ちゃんが
抱かれていました。
お父さんが受付に紙を出しました。
「これ、お願いします」
お父さんが出したのは、
赤ちゃんの予防接種の予診票でした。
受付の人は
予診票を見てこう言いました。
「あの、こちら
全てご記入いただいた後に
ご提出いただけますでしょうか?」
お父さんは、
「?」という顔をしていました。
受付の人は、
「英語は話せますか?」
と尋ねましたが、
お父さんは、
「英語はわかりません。
日本語は少し話せます」
と答えたのです。
受付の人は、
日本語が少しわかるということで、
もう一度同じように、
「この紙の必要事項にご記入いただき、
もう一度お持ちいただけますか?」
と伝えたのです。
しかし、
やっぱり伝わっていませんでした。
見かねた私は、
受付の人にお断りを入れました。
「日本語教師です。
日本語を簡単にして伝えてみます。
お手伝いしてもよろしいですか?」
そして、外国人のお父さんにも
こう話しました。
「私は日本語の先生です。
私と一緒に書きましょう」
双方から承諾いただけたので、
お手伝いすることになりました。
赤ちゃんの名前、誕生日、体重など、
予診票で聞かれていることを、
日本語を学んでいる外国人が
知っていそうな言葉を選んで
説明しました。
無事、全てを書き終わったときに、
お父さんからも
受付の人からも
「ありがとう」
と言ってもらえたんです。
私はそのとき、
言葉を簡単にすることで
問題を解決することができ
単純に嬉しかったんですが、
その嬉しさとともに、
病院に行って、
このお父さんのように
困っている外国人は
もっともっと
たくさんいるんだろうと思いました。
医療機関では、
患者さんとの
コミュニケーションが不可欠です。
コンビニや観光スポットのお土産売り場では、
ジェスチャーや言葉を介さなくても
買い物ができます。
医療機関ではそうはいきません。
だから
そのとき、私は、
もっと医療関係者のみなさんに、
やさしい日本語のことを
知ってほしいと思ったんです。
これが、
私がやさしい日本語を
医療関係者のみなさんに
知ってもらいたい
伝えたい
と思った出来事です。
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